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殺戮と肥満 [来るべき世界]

2023年10月26日(木)晴れ.

米の長期国債(10年)の金利が上昇したまま5%近辺をウロウロして落ちない.また,米国の自動車ローン返済遅延は過去30年例を見ないほど深刻になっていると報道されている.庶民が車を購入しにくい経済状況が生まれている.

しかし米国経済がどうなろうが,幼児や子供を巻き込んで見るに忍びない殺戮が続いているガザの惨状と比較すればかすり傷程度にしかならないだろう.

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母を看る子供たち


戦争が計画どおりに進むわけはないので,これからどのような展開が待っているか言うだけ無駄かもしれないが,隠された目標がまず世界的なレベルでの秩序の混沌であるとすれば,それに成功しつつあるようにみえる.しかし同時に,その後の世界秩序の再編,つまりGreat Resetもその計画通り進む保証はないわけだ.



Tucker Carlson with Douglas Macgregor, Oct. 23, 2023


若者が太ってしまって兵役につけない米軍など一昔前は想像もできなかったが,いまは笑い事ではないそうだ.軍事的にも,米国の繁栄は終わろうとしている.



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1年半 [イヌ・散歩]

2023年10月21日(土) 晴れ.ややさむくなった気がする.

今日は夕方,月隈に行った.月隈は私鉄バスの終点になっている山の裾野に開けた住宅街で,山の散歩の行き帰りに家々の間を縫うようにしてよく歩いた.自転車をおしながら昔のコースをたどる.

今でも犬連れの散歩を楽しむ人々がおおく,途中6匹の犬にあった.柴犬も2匹.猫にリードつけて歩いている高齢者の女性もいた.


山の奥に入っていくと,ゴルフ場,猿が出没するペット墓地,ビルマの丘とかかれた(おそらくは南方の戦没者の)墓地,自衛隊の射撃練習場などがあり,上がれば上がるほどこの世離れしてくる散歩コースだった.ここを歩くとき私のイヌはあまり笑わなかった.自分もなんとなく薄気味悪く感じたことが何度かある.

ただ周囲の緑とその間を流れる水は心地よく,それを見たくて時々きた.下りて住宅街に入ると,庭園風につくった池のある公園があって,そこの芝に伏せて休んだ.

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今日しばらくぶりにその公園にいってみると,木々も池もすっかり秋の風情でだれもいない.見上げると,空は雲ひとつない薄いブルーの清澄で,冷たくなってきた風がくすんだ緑の梢を揺らしている.野鳥のペアが2点の薄い墨となって彼方を横切っていく.


毎日イヌと歩いていた頃,心は満ちていて,四季の繊細と変化がよく見えた.今,半分裂けた空洞には,155ミリ砲弾の炸裂音,吹きとばされた子供の血,くくられたbody bagの白い土嚢のような堆積,正義と復讐を叫ぶデモ,外国語のあらゆる嘘が割り込んできて,注目を競っている.それらすべては,煽りかき立てて,自然をみる目を遮断する.

骨壷を撫でで話しかけると,声がきこえる.かつての経験の重く低い音で近づいてきて,平安と微かな希望のドップラー効果を残して,再び消えていく.同じ死からよみがえってきて,私の目を自然にむけて開く.















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The city is dead [音楽]

2023年10月19日(木)晴れ.


イスラエル軍がガザを荒れ地にし,そこに住んでいた人々をシナイの砂漠に追い落とせば,今度はパレスチナ人の上にマナが降るだろう.まさか? 一方,確実に,イスラエルの上にはミサイルが降るだろう.

もうそこに乳と蜜は流れない.

〜〜〜



Down in the street they're all singing and shouting
Staying alive though the city is dead
Hiding their shame behind hollow laughter
While you are crying alone on your bed

Pity Cassandra, that no one believed you
But then again, you were lost from the start
Now we must suffer and sell our secrets
Bargain, playing smart, aching in our hearts

Sorry Cassandra, I misunderstood
Now the last day is dawning
Some of us wanted but none of us would
Listen to words of warning
But on the darkest of nights
Nobody knew how to fight
And we were caught in our sleep
Sorry Cassandra, I didn't believe
You really had the power
I only saw it as dreams you would weave
Until the final hour

So in the morning, your ship will be sailing
Now that your father and sister are gone
There is no reason for you to linger
You're grieving deeply, but still moving on

You know the future is casting a shadow
No one else sees it, but you know your fate
Packing your bags, being slow and thorough
Knowing, though you're late, that ship is sure to wait

Sorry Cassandra, I misunderstood
Now the last day is dawning
Some of us wanted, but none of us would
Listen to words of warning
But on the darkest of nights
Nobody knew how to fight
And we were caught in our sleep
Sorry Cassandra, I didn't believe
You really had the power
I only saw it as dreams you would weave
Until the final hour

I watched the ship leaving harbor at sunrise
Sails almost slack in the cool morning rain
She stood on deck, just a tiny figure
Rigid and restrained, blue eyes filled with pain

Sorry Cassandra, I misunderstood
Now the last day is dawning
Some of us wanted, but none of us would
Listen to words of warning
But on the darkest of nights
Nobody knew how to fight
And we were caught in our sleep
Sorry Cassandra, I didn't believe
You really had the power
I only saw it as dreams you would weave
Until the final hour

I'm sorry, Cassandra
I'm sorry, Cassandra





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狂気 [来るべき世界]

2023年10月17日(火)晴れ.

嘆かわしいことに,中東情勢はいまのところ予想ルートの上を進んでいる.

'This is not funny'



どちらの側にせよ,つまるところ相手が人間だと思っていれば,できないことがある.思っていなければ,subhumanとみていれば,なんでもやってしまう.原爆投下はそれ以外の何だというのか?


日本政府は,中東でなにが起きても,石油の確保は大丈夫なのだろうな.国民の代表である以上,同盟国の政策ではなく自国民の生命と生活の安全が第一であるのは当たり前である.

外交政策の失敗で,国民生活を危険に晒すようなことが二度とあってはならない.今度は国がとぶぞ.



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観世音寺再訪


2023年10月13日(金)快晴.気持ちの良い天気.

一昨日,通勤の帰り,私鉄の構内で倒れている高齢者(70代後半)に遭遇する.周りを救急隊員がとり囲み,うつ伏せの口の当たりに流れ出た血の跡がみえた.改札口にストレッチャーと救急車.近い将来の自分の姿.


昨日は自転車をこいで,観世音寺にいった.周辺はなんども歩いたところだが,イヌが死んで以来,ほぼ3年ぶりになるか.そもそも行ってみようという気にならなかったので,敬遠していたというのが正しい.

平日の夕方だが,観光客もちらほら.ゴールデン,黒柴,ミックス,犬連れの高齢者の散歩も目立つ.散歩のたびに排水口に小石を投げ入れてイヌと遊んだ戒壇院もすっかり秋で,境内にいたるアプローチの脇には枯れた紫陽花の茎がそのまま立っていた.


観世音寺境内の梵鐘にいってみる.ここは毎年,年末によく来たところで,NHKの取材班がライトアップした鐘楼の前で,何枚もイヌの写真をとった.

今回はなんとなく外観に精気がうせたような気がして近づいてみると,針金で囲まれた鐘楼の内部に国宝の梵鐘はなく,九州国立博物館に展示中であるとの掲示があった.ガランとして,屋根瓦の枯れ草が目立つ.


鐘楼に 枯れ草揺れて 主去りぬ
主去りて 誰を護るや 鬼瓦


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秋の戒壇院



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プラン [来るべき世界]

2023年10月9日(月)晴れ.祭日に働くのは2倍疲れる.

帰ってニュースを読む.読み筋にはいって,詰みが見える.

コロナがなければ,ワクチンはない.ワクチンはコロナの到来を知ってそれを待っていたのである.同様に,イスラエルもハマスを待っていたのである.では,そのあとにくるワクチンとはなにか? イランを巻き込む中東の(部分的な)核戦争である.

これが最初からの計画である.




「お前そうとう頭がイカれてしまって,もう救いようがないな.」

「言わせれもらえば,世界のほうがもっとイカれている.」






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破局 [War]

2023年10月8日(日)曇り.いやな天気.頭痛が続いて睡眠不足.あす(祭日)の仕事を考えると気分も一層くらい.

とうとう来たな.いまテヘランでは花火が打ち上がっている.核戦争に発展する道がみえる.これから先,食糧不足,エネルギー価格の高騰,ハイパーインフレ,Great Resetへと続く塗炭の苦しみが,我が国を待っているだろう.愚かにも備えなかったのだから,致し方ない.

ウクライナに輸送されるはずの西側の武器が,ブラックマーケット経由でハマスに流れ,今度はそれがイスラエルを攻撃する手段となっている,というレポートをSNSでみた.これを否定できない.なにやってんだかわからない世界に生きている.

遅まきながら食べる山菜・野草の勉強に精をだし,可能な限り自己防衛につとめるしかない.淡々と勉強を続けたり,音楽を聴いたりする日々を夢見てきたが,それは永久に来ないだろう.
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想像のなかのAida [音楽]


2023年10月7日(土)曇り.はっきりと秋になった.

いくつになっても仕事に慣れないので,睡眠がうまくいかない.というより,日々よみかつ聴いている世界と日本の政治経済情勢と,レガシー・メディアで報じられている内容のギャップがあまりにも大きいので,自分がみているのは現実なのか夢の話なのかがわからなくなり,頭が混乱してしまうためでもある.落ち着こう考えているうちに,眠るタイミングを失して目が冴えてくる.

寝る前に考えるのは良くない.ニュースもスピンかけすぎると,ホームベースを大きく外れてキャッチャーのミットに入らない.もう無視するしかない.

プーチンが71歳になったそうだ:
「ロシアのプーチン大統領は7日,71歳の誕生日を迎えました.ロシア人男性の平均寿命を超えていて,来年3月に控える大統領選挙でも高齢が不安視されています.ロシアの世論調査会社によりますと,ロシア人の68%が70歳以上の人の大統領就任に反対しているということです.ロシア人男性の平均寿命は67.6歳で,ロシア人にとってプーチン大統領は「年寄り」とのイメージが広がっています.独立系メディアによりますと,周辺の関係者もプーチン大統領を「じいさん」と呼ぶようになっているということです」.(テレ朝ニュースWeb版,10/7(土) 配信)

つまり,プーチンはもう「爺さん」で耄碌近しというわけだ.

しかし,10月初頭のValdai Discussion Clubでのプーチンの質疑応答を見ていると,衰えているようにはおもえない.すくなくとも,3時間40分すわって何も見ないで質問に答えることができる首脳は西側に何人いるのか? 

〜〜〜

"Укрепление многополярного мира неизбежно"

Такими словами Путин завершил беседу с членами дискуссионного клуба "Валдай", которая длилась 3 часа 40 минут

〜〜〜

現実と将来の展開をどうみているのか不明な西側首脳とは対照的に,彼の言うことは理解できる.つまり,もっとも敵に回したくないタイプのトップであり,それは彼の政策を支持するかどうかとは関係がない.

瀕死のカディ―ロフも行方不明のスロヴィーキンも元気そうだ.スロヴィーキン防衛線も何回も突破したはずだが・・・まぁどうでもいいけど.勝手にやってくれ.



ロシアの経済成長率(予測)とドイツ製造業のPMIを比較してみればよい.露中銀はこの10月から国内の銀行間でのSWIFT利用を禁止したという.西側制裁によるSWIFTからの切断で露経済の首は絞まったとおもったのだが,今度は西側が首にかけた縄を露は自分から締めにでたというわけだ(露銀行間の資金の流れも外からはわからなくなる).

原油価格は全体的に下落気味とはいえウラル原油もバレル当たり$79.73である(07/10/2023現在).$60のキャップはどこにいったのか? 相手を正しくしらなければ戦いに勝てない.これは我が国が骨身にしみているはずのことだが,なにかの偏見か,それとも決めつけか,嫌悪感かしらないが,評価の基本が甘いのか誤っているとしか思えない.

〜〜〜

ベルリン国立歌劇場で10月3日からAida公演がかかっていて,Garancaが例によって妖しいAmnerisである.見た目と演技で得していることは間違いないが,それだけでは客は来ない.




ただ今回の新演出はブーイング続出らしく,同歌劇場のアップした紹介動画にも,否定的な書き込みが目立つ.おまけに,ラダメス役のYusif Eyvazovは,嫁のせいでも相変わらず野次られるという気の毒さ(舞台で私生活を言うなら,コブ付きNetrebkoをもらった男は歌唱も大目に見るべき,というのが自分の立場である).


"Aida, Staatsoper Berlin review — clowns, fruit and fur coats cannot hide bad singing" ―Finanicial Times


もちろん英メディア批評はどうせいつもこんなものだろう(誰が高いカネだして他人の不満をよむんだよ).しかし冷静になって,短い動画クリップを見ると,背景の世界地図や児童労働の象徴(らしい)子どもたち,「大いに金儲けしようぞ」のバナーは,もはやオペラというより政治劇のスクランブルエッグなのか,といいたくなる.批判も宜なるかな,と昨日の夜まではそう思っていた.


ちょっと考え方が変わったのは,War and Peace の第1巻第3部のAusterlitzの戦闘の場面をふたたび読んだためである.それが政治劇Aidaとなんの関係があるのか?

「アウステルリッツやボロジノの地形を見えるように書いたトルストイ」(大岡昇平)は,Bagration将軍の伝令Rostovに,露軍と仏軍の激しく衝突する前線を駆けさせ,戦場とは何かをみせる.

それは一種の「長回し」の場面であり,馬上の彼がそこで見るものは,なにが起きているのか判然としない混沌である.ヒューンと身をかすめる弾丸と弾幕の合間から,負傷者の呻きと叫び,前進と後退の錯綜の中でぶつかり合う騎兵と馬の嘶きが聞こえる.そして見捨てられた死傷者たち:

'Over the field, like sheaves on good wheatland, lay dead or wounded men, ten to fifteen to an acre.'

これは現在のウクライナの戦場そのものだ.

そして,同時にまた,Aidaのなかで支離滅裂に展開するいまの世界そのものの姿だ.逃げ惑い,押しつぶされ,倒れ,嘘と噂が飛び交い,あってはならないはずのことが起きる.

馬車に乗って戦線離脱したはずのロシア皇帝Alexanderが,部下とたった2人で敗走し,いるはずのない場所に悄然と立っている:

'But that can't be him, alone in the middle of this empty field.'

書き出せばきりがないが,この戦闘の場面を,日常空間に射影すれば,そこに映るのは我々の日々の姿だ.カネがなくなって今月の家賃が払えない,職場でクビになる,面接で落ちる,電車の中で吐きたくなる,子供が不登校になる,いなくなる,自殺する.

こうみてくると,Aidaの演出も予想もしないことが次々に起きて,それが我々の死命を制す現代社会の姿そのものではないかといえる.



翻訳は素晴らしく読みやすい.どの時代であれ,世界のどこであれ,危機に直面している人は皆,ここに自分を見出すだろう:

'that stern and majestic way of thinking called up in him by weakness from loss of blood, suffering, and the expectation of imminent death.'

これを初めて読んだときの感動が,時を経て一層の鮮明さで蘇るのが信じられなかった.








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