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知られていない死 [イヌ・散歩]

2024年4月27日(土)晴れ.

夕方,公園に散歩にでる.今日からゴールデンウィークのせいか,週末にしては人の数はかなり少ない.嬉しそうな柴犬(飛び跳ねて歩いていた)や目を輝かせて胸はっているビーグルなど犬たちは元気そのものだったが,飼い主の方(特に若い飼い主)は元気がない様子.どこにも行けないものね.イヌはいなくても,月曜日(昭和の日)は出勤だ.


いまからちょうど2年前の今日は,17年近く飼っていたイヌが血を吐いた日だ.翌日,全身を震わせるようにして死んだ.萌え上がる力こぶのような新緑をみていると,時間がその日に回帰する.その日,病院からの帰り道に通りかかったとき,ぐったりと動かないイヌを両手に抱いて,もうここを歩くことはないだろうと思った.しかし,どのように記憶をたどっても,そのときの公園の緑の記憶がまったくない.


黄金週間には,天皇賞(春)が開催される.いまから16年前のGWには家族で九重高原に旅行していて,ラジオで天皇賞の放送を聴いた.京都競馬場の見えない馬たちが頭の中で走る.そのとき2着だったメイショウサムソンはいまはどうしているだろう,と急に気になる.

調べると,彼はもう21歳になっていて,種牡馬を引退し,NPO法人引退馬協会のフォスターホースとして,ひだか・ホース・フレンズに繋養されていた.皐月賞・ダービーや春秋の天皇賞など目覚ましい成績をあげて,ロンシャンに遠征さえした馬が行き着いた先は,そこだった.

いまは「引退馬協会を背負って立つ・・・広報部員の一頭として,なかなかフォスターペアレント(里親)会員を集めることができない知名度の低い馬たちの分もカバーしてくれることを期待」されている.では,「知名度の低い馬たち」は,どこにいったのか?


コロナ以降,予想されなかった状況で死んだり障害を負ったりする人々が増えている.ワクチン接種後,出勤してこない若い看護師(26歳)がいて,病院から連絡を受けた母親がいってみると,娘は身支度を整えてソファに座ったまま顔から血を流して死んでいた.彼女の死は地元の新聞に報道された:

「26歳看護師が,福岡県内の公立病院勤務だったことが判った.医療従事者から優先して始まったワクチン接種,もちろん強制ではないが同看護師はコロナ病棟勤務のため,3月19日に書類に同意した上で接種後,アナフィラキシーショックはなかったという.

経過観察では異常は見られなかったが,その後,23日の夜勤に出勤して来なかったため職場から家族に連絡があり,アパートで死亡した状態で発見され,死因はくも膜下出血と診断された.

同僚にとって突然の死は悲しくショッキングな出来事だったが,前述の厚労省の報告には看護師という職業が明記されない上,ワクチン接種の因果関係は評価できないとされていることから,不信感が広がっている様だ.」
(福岡県民新聞,2021年4月15日)

彼女の死は家族以外のものにも知られた.同年代の看護師の娘をもつ自分にとっては強烈なインパクトがあった.結局,やはりコロナ病棟で勤務することになった私の看護師の娘はワクチン接種に抵抗した.

一方,職を維持するために事実上強制されて接種し,因果関係不明で死んでしまった人も少なくない.若いアスリートが競技中にピッチで倒れて死ぬ.おかしなことが次々に起きている.これらの一部を,今頃申し訳程度に報道している主流メディアは,手を洗った現代のピラト以外の何だというのか? 彼らの黙認は,犠牲者の血によって歴史に刻まれたのだ.もう消し去ることはできない.その血が,永遠に告発を続けるだろう.


戦場では,ほぼ家族以外にしる者のない死も常態化している.砕けた子どもたちに取りすがるガザの母親.自撮りのカメラに向かって,砲撃によって仲間が死に絶えて残り2人になったことを告げる塹壕の若いウクライナ兵のその後は,だれが知っているのか? 

財政・武器支援がなければ,ウクライナが敗れて民主主義は危機に陥る? 笑わせる.正義の原理主義は最初から塹壕に入って現実を知るべきだったのだ.ベトナム,アフガニスタン,ノルド・ストリーム爆破,アメリカの国債の利払いの危機的な水準,西側対ロシアの砲弾の年間生産量,経済成長率の南北比較と制裁の失敗.これらの現実から目をそらしたまま,ロシアの国家資産を没収し,そのままウクライナ支援に投じてドルの暴落に拍車をかける,意味不明の自殺行為.

そのあとに言われるままについていくだけの従属国家もあったな.反抗によって死ぬか,従属によって恥辱の破滅に至るか,選択さえできないオコチャマを城主とする家臣の苦渋がよくわかる.書いていると止まらなくなる.


La Scala TVでCavalleria Rusticanaのストリーミング再生を購入.期待に胸が高まるが,あれぇ・・・サントゥッツァ役が別のソプラノに代わっている.どうやらunwellで代役らしい.夢ばかりみていると,歌手が人間であることさえ忘れてしまう.




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断念の記 [音楽]


2024年4月26日(金)曇り.やや肌寒い.

世界はますます血生臭くなり,それにつれて礼節や芸術は後退しつつあるようにみえる.怒りの爆発,冷笑,告発,侮蔑がSNSに溢れ,称賛と笑いはanimal worldで身をすくめている.


6月下旬,ガランチャが2年ぶりに来日する.今回は同伴者があって,メトロポリタン歌劇場オーケストラ(Yannick Nézet-Séguin指揮)およびLisette Oropesa,Christian Van Hornである.ガランチャが歌うプログラムはバルトークの歌劇『青ひげ公の城』で,演奏会形式の上演となる.

ちょっと前に,チケット販売のお知らせメールが来た.東京公演は仕事で行けないので,聴くとすれば兵庫公演しかない.演奏会形式とはいえオーケストラをバックに歌うところを生で聴いてみたいという気持ちは非常に強い.座席を確認するとまだ良い席が空いていた.もちろん安くはない.

アレコレ考え迷った末,結局,今回は見送ることにした.率直に言って費用の問題もあるが,それが主な理由ではない(前回はアンコール全て聴いたので,帰りの足がなく大阪に泊まった.アンコールの途中で席を立ち,後ろを振り返り立ち止まり,また振り返りながら暗い廊下に出ていくサラリーマン風の中年男性が気の毒であった).


どうしようか迷っているときに一番思いを巡らしたのは,実は音楽と機会費用の問題ではない.それはほぼ毎回音楽が勝つのである.今回は,6月に世界で何が起きているだろうか,ということをまず考えた.中東情勢がより緊迫していて,エネルギー危機に見舞われている可能性すらある.そんな最中に,ひとりだけ関西にでかけていい気なものね,と家族に責められ落城する姿が予想できた(家族にクラシックを聴くものは誰もいない).まず,食べ物だろうが,と.

もう一つの理由は,出しものである.歌劇『青ひげ公の城』は,あまり気乗りしなかった.昨日までスカラ座で歌っていたCavalleria Rusticana ならば,一も二も無かっただろう.つまり,こちらの芸術的成熟度が不足していたということだ.代わりと言っては何だが,Cavalleria RusticanaがLa Scala TVで視聴できるらしいので,そちらを弁解として断念した.

コロナ以降,少なくとも個人的には,音楽をめぐる制約条件はまだ解かれていない.ずっとこのままかもしれない.


〜〜〜

「あなたはまだ若いのにお父さんもお母さんもなくて大変不幸な方です.私がお母さんの代わりになって上げますから,しっかりやっていらっしゃい」.こういう言葉は二十八歳で破産した父に死なれた若者にはわすれられないものである.


「私は戦後アメリカの日本に対するやり方には,感心しないことのほうが多いのだが,アメリカ人の中に,いい人がいることを疑ったことはない.それは私が学生時代から倫さんの人格に触れ,また大きな恩義を受けているからである」


その社の主人はI should say your son speaks excellent Englishと書いてきた.私のブロークンな英語を知っている彼にはよほど驚異だったらしい.このことを倫さんに伝えると,「あたりまえです.私の英語の教え方はいいのです」.

或るイギリスの出版社が,文学者の自筆経歴を載せるのを特徴とするWho's Whoを企画して,私に英文経歴の提出を求めてきた.私は再び倫さんに助けを求めた・・・出版社は,your admirable Englishと書いてきた.正確な書名は忘れてしまったが,「その著者自身による経歴」の項は倫さんの作品である.

ー大岡昇平「思い出(『加藤りん先生のおもかげ』)」より

〜〜〜

『俘虜記』や『レイテ戦記』はこのスウェーデン系アメリカ人女性なくしてはあり得なかったことを今回初めて知った.どこで,だれに助けられ,どこで誰を助けるかわからない.

関連して,ここ数年,パンデミックにあって命を保護する情報の大半は「鬼畜」米英の人々から得たものである.心底,感謝しかない.







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理解できないビョウキ [雑感]

2024年4月25日(木)久々の快晴だった.

RFK, jrの新著と例のエゼキエルの時代からのabductionとUFO現象についての本Wonders in the Skyを同時進行でよむ.'And when he had spoken these things, while they beheld, he was taken up; and a cloud received him out of their sight.'(Acts1:9,KJV)まさかこれをアブダクションという人はいまい.それなら何が違うのか? 


Xには現代社会の混沌が反射していて,読んでいるとめまいがする.特に今日気になったのは次:



なにが起ころうとしているかも薄々わかる? 

今日はいつもより気合を入れて,ウクライナ戦線の状況を確認した.やはり同じだった.NATO・欧州首脳陣は気が狂いつつある.背後で彼らを操縦している連中が意図していることとはいえ,control freakのすることは,なにが楽しいのか理解できない.貧乏人に対する詐欺・謀略・侮蔑・嘘のイジメ.正真正銘のビョウキです.


ガザにおけるイスラエルの報復攻撃をずっとみていて,この一節を思い出さずにはおれなかった:

'And the LORD said unto Moses, I have seen this people, and, behold, it is a stiffnecked people:Now therefore let me alone, that my wrath may wax hot against them, and that I may consume them: and I will make of thee a great nation.' (Exodus 32:9~10; KJV)



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毎日が曇り [War]

2024年4月24日(水)朝から曇り.

ここ数日天気が良くないので,電車のプラットフォームから大野城が霞んで見えない.霧のかかった山をみて,時間が過ぎたという思いを振り払って仕事に向かう.

いまおもえば,忙しくても散歩しているときは元気があった.今はときどき飼い主募集中の保護された野犬のページを開いてながめるのが犬世界との接触のすべてになった.世界のアチコチで人間も必死だが,動物も放浪しかない.


一方,人殺しを促進して栄えている連中もいる.ペロシも随分金持ちになったね.もうすぐ寿命だろうに,カネためて何するの?

過去の失敗の原因を究明せず,同じことをくりかえして,異なる結果を期待する.これをdemocracyという.





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宣告 [来るべき世界]

2024年4月21日(日)曇り.

朝,公園にいった.雨上がりで,緑が特に美しかった.

GreenForest2024Spring.jpg


「私の弁論を聞き 私の唇の訴えを心して聞け」 ( ヨブ記13章 6節 聖書協会共同訳 )





日英ともに,おなじ震える「唇の訴え」をきけ.そして誰がそれを聴いているか,誰が無視しているか,わかるときが来る.精算がなされるときだ.

無視した者たちは,何をもってその代償を支払うのか? 落選か? 失業か? 命を償うものは命しかない,とは不気味な宣告である.



米下院議長のマイク・ジョンソンは新たなウクライナ支援約608億ドル(約9兆4000億円)を正当化する際に,ロシア・イラン・中国を「邪悪な」新枢軸国として名指しした.ただし,第2次世界大戦の枢軸国とは異なり,いまや経済的に没落しつつある西側諸国にとって,今回の枢軸勢は容易ならぬ敵となるだろう.

ロシア1国に限定しても,西側はロシアを崩壊させるために過去前例を見ない制裁をうちだしたが,完全に失敗した.ロシアは欧州のどの主要国よりも経済成長している(IMFはそれが継続すると予測している)が,欧州は制裁によって逆に不況に陥っている.これにイランや中国が加わるのであるから,米軍のアフガニスタン撤退のようにお茶をにごして終わらせることはできない.


たしかに,支援金の大部分は武器をもとめてウクライナから自国内の軍産複合体に還流するので,その意味では,これはオイル・ダラーのシステムに似ている(中東の原油にドルで支払いをし,そのドルでアメリカの国債を買わせた).中東の石油ではなくて,この度は武器がアメリカから出ていく.軍需産業が受け取ったドル(米国民の血税)は,選挙前でカネがほしい政治家にとって旱天の慈雨となるだろう.おお喜びするわけだ.



ウクライナ支援法案の上下院を通過を受けて,ゼレンスキー大統領は「歴史を正しい軌道に乗せ続ける決断をしたジョンソン議長に感謝する」とのべている.('I am grateful to the United States House of Representatives, both parties, and personally Speaker Mike Johnson for the decision that keeps history on the right track.'--V Zelenskyy).

ゼレンスキーの判断とは異なり,最近のEUのトップの好戦的な論調はたんなるレトリックを超えつつあるようにみえる.つまり,逆に歴史はより危険な軌道に接近しつつある.


これで少なくとも米大統領選挙まではウクライナの敗北はないと安堵するむきもあるようだ.しかし,未解決の問題もある.戦争継続にはウクライナ兵の大補充が急務だが,これはどこから捻出するのか? キエフ市長の若い息子3人はドイツに逃れたまま帰国していないが,「彼らはいまやドイツ市民だ」と市長はいっている.金持ちも,政治家も,自分の身内を死なせるつもりはもとよりない.

そこで,ウクライナの中高年や女性が3日の訓練(!)で前線に送られている.コネもカネもない若者は命がけで国境の川を泳いで隣国にのがれるほかない.ウクライナの土地はBlackRockのものとなり,貧民は死んでその土地の肥やしになるのだ(前線に穴をほって死者を埋めて,行方不明者として処理している例もある.遺族に年金を払う必要がないため).

我が国も多額(1兆8,000億円)の援助を送っているわけだが,いったいどのように使われているのか? 

'But I can say that corruption really is not our number one problem. Our number one problem is the desire of most of us to immediately engage in corruption at the first opportunity.' (Oleksii Arestovych)





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スペースオペラ第2幕 [来るべき世界]

2024年4月19日(金) 晴れ.

イスラエルの対イラン報復が始まった.やるはずだったことで驚きはないが,今後の展開次第では我が国経済にとって破滅的になる可能性がある.備蓄するにももうカネがないが.

コロナパンデミック・ロックダウンにワクチンから続いている'Build back better'の流れでみれば,まず破壊がなければならない.当然だ.徹底的にやるだろうし,その後に自らがまたコントロールする側に立つことが,彼らの主たる目論見であり,世界秩序再建オペラの台本の基本である.

いま,そのオペラ第2幕の幕が上がりつつある.オーケストラの指揮者は誰か? 決まってるだろう.ウラディーミル・ダヴィドヴィチ・アシュケナージだよ.

〜〜〜

●France has become the leader among EU countries in gas purchases from Russia.

'In February, the country imported liquefied natural gas for 322 million euros ($343 mln), and Hungary, which had maintained its primacy two months earlier, imported pipeline "blue fuel" for only 210 million euros ($226 mln), according to Eurostat data.'
(source: Sputnik International)

●日本がロシアからのLNG輸入を拡大

「日本財務省が3月分の貿易統計を発表した。これによると,日本は ロシア からの液化天然ガス(LNG)輸入を前年同期比で35.7%増加させた.」
(source: Sputnik Japan)


武士道(Kishida)も騎士道(Macron)もダブルスタンダードになったんだね.制裁やめてしまえばいいのに.なんだかなぁ〜…助かるけどw




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集団訴訟 [来るべき世界]

2024年4月18日(木)晴れ.黄砂で煙る.



ワクチン接種後に死亡した人の遺族や後遺症を負った人ら男女13人が国に総額およそ9150万円の損害賠償を求める集団訴訟を起したことが一部主要メディアで報道されている.これまで寝たふりを決め込んでいた大手メディアもついに無視できなくなったと見える.無視するなら最後までそのまま頑張ったらどうでチュか.

オレは関係ない,知らなかった,まだ分からないだろう,上から言われたことをやったまでだ,薄々知ってはいたが力が及ばなかった,等々.心配するな,大手メディア関係者諸君.第二次世界大戦後,戦犯として裁かれた人々も同じことを言った.君らの先輩たちもね.

彼らのある者たちは,バックについている者たちの,人倫さえ無視しても告発されない強大な力の庇護によって,戦後まで生きのびて繁栄した.あるいは,海外に逃れて匿われた.

彼らの依り頼んだ大樹は,法の上にあったからだ.今回も助けてくれるよ,きっと.しかし,全く別種の法が,君らの襟首を掴んで裁きの場に引き出すときが遠からずくる.そのときは諦めな.



今回の件は,最大の「薬害」などではない.生命の尊厳の侮蔑,無視,蹂躪だ.自分たちの仲間には別の「ロット」,家畜は汚染ロットで殺処分.効率が何より大事だが,あからさまは流石にまずいのでこっそりやったが,途中から調子に乗って喋りすぎた.知らないとでも思っていたか? 



他にも同様な「別バッチ」待遇の人の話を随分聞き,かつ読んだ.それにしても,邪悪がここまで素顔を晒したことがあっただろうか? 自分でマスクを取って,平然と意図と手段を隠さない.その上,単なる殺処分計画で終わる話ではなく,より深刻で,唖然とするしかない全人類史的な広がりをもつ企みだ.その醜悪な大胆さには,チビるね.


これまで生きて受け入れてきた「基本よいはずの」人間社会が,実はまったくの「詐欺」(shill)に過ぎなかったことを日々悟りつつある.オレは脳なしの馬鹿だった.遅まきながらの認識は,鉛の味だ.

そして我が国も「彼ら」の思いのままだ.彼らによって任命された豚のナポレオンたちは,下々の家畜とは違うので,自分で言っていることの矛盾もわからない.




これから先,ますます酷いことになるだろう.

'Theo, you must persevere.'




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ふたつの世界 [音楽]

2024年4月17日(水)晴れ.

寝ようとしていたら(夜の11時14分)地震.震源は豊後水道で最大震度6弱.当地は,2〜3程度の揺れだが,場所が場所なので,南海トラフ大地震の心配がuglyな鎌首をもたげる.今晩は安眠というわけにはいかないだろう.世界も,日本も,まったく碌なことがない.

GOLDが再び1オンス2,400ドルに迫っている.原油の先物は落ち着いているが,イスラエルーイランの報復合戦次第ではこのさきどうなるかわからない.自分でできる限りの先手はうったが,これで万全ということはありえない.

毎日,世界情勢を注視していると,嫌になってくる.たとえ世界が平和でも,もうそんなに先はないのに,いまさら命を長引かせる算段に少ない時間を潰されるのは,そもそも矛盾している.虚しさ.

〜〜〜

My dear Theo,

It's already late and everyone is already asleep, but I feel the need to write a few words to you again. You must persevere -- you must go onward -- as I msut, too-- we're going through the same ordeal in many respects.
(Amsterdam, 31 May 1877)

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音楽のなかにふたつの世界をみる.それが慰め.

Gaza


Somewhere over the rainbow








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国家的な出費と見返り [来るべき世界]

2024年4月10日(水)晴れ.

昨日は1年半ぶりに脳病院にいった.受付で,久しぶりですね,といわれ,薄いマスクを手渡される.ここ1年はマスクをしたことはなかったので,口おむつ,といわれる意味がよくわかった.

短い診察.クスリ込みで2,000円の出費.年金生活者や生活困窮者が,診察をひかえて病気が悪化するパターンをおもう.「ジェネリックが利用できますが,いかがですか?」「以前利用したのですが,効きませんでした」と言って断る.実際,カネだけだして効き目は薄かった.頭痛はすべての活動(寝ることも)を不可能にするので,ここは妥協できない.

待合で新聞をよむ.地方紙と読売.ここ20年ほど,新聞をとっていないので,病院の待合ではかならず手が伸びる.両紙とも,あっという間に読み終わる.この内容にいくら払っているのだろうか? 残念でもあるが,20年前の節約は正しかったと再確認した.こんな具合に,携帯もやめられたらいいんだが.

〜〜〜

ジャンピエール米大統領報道官は4日の記者会見で,来週予定される岸田文雄首相の国賓待遇での訪米について,「日米同盟の不朽の強さと,米国の日本に対する揺るがぬ責務,世界で増す日本の指導的役割を強調するものとなる」と述べた。(Jiji. com 4/5(金) 6:09)

〜〜〜

すまないが,これを読んで笑ってしまった.ジャンピエール女史の記者会見は何度も見たが,どうしてあんな嘘を平気で言えるのだろうか,と感心したことが数度ある.その平然とした様子はアッパレでさえあり,「日米同盟の不朽の強さ」とは,よく言った.

実は,使えるうちは利用して,あとは知らねぇ,の日米同盟だといっているのだ.指導的役割は,我が国の拠出金のことだろうし,ウクライナにもすでに1兆8000億円献上している.我が国の資産で狙われているものは他にもある.それはもう誰でも知っていることだ.

しかし同時に,この点でアメリカを責めるのはお門違いというべきだろう.米国は戦勝国であり,相手国がこれほど従属的であれば,当然の態度かもしれない.「ロシアがウクライナに侵攻すれば,ノルド・ストリームはない」と言い切ったのは,ドイツではない.アメリカの現職の大統領だ.他所様の資産を破壊する権利を主張したのだから,戦略的に不適切とみなされれば,我が国の資産も破壊されるだろうし,どこからか出現したLGBT法案も通るだろう.


一方,ロシアの見方はより現実的で的確であると思える:

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アジアにおける反中連合の構築というより広範なアメリカのアジェンダにとって,日本が極めて重要である理由がここにある:

● 米国は日本を最前線の武装基地として.また中国に対する緩衝材として利用することができ,日本の支出で中国を封じ込めることができる.(SputnikInternational, 10 April 2024)

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家来の出費で,自分の敵を抑え込めればこれほどうまい話はない.訪米した岸田総理を迎える米大統領の満面の笑みをみたまえ.

ウクライナも同様だ.ウクライナ戦争が具体的にどのような形で終結するかわからないが,戦後についてはある程度はっきりしているようだ.15兆円の「開発ファンド」を条件として,事実上,ウクライナをBlackRockに売り渡す.BlackRockとその周辺は,終戦後ウクライナに残された国家資産の民営化および割譲によって,拠出金のリターンを得る,という構図だ.

我が国をはじめとする西側の資金援助で,ますます多数のウクライナ兵が勝ち目のない戦場に投げ込まれて,ボロ雑巾のように殺される.村には男がいなくなる.そのうち,国の富もよそ者に食い尽くされる.一方,漁夫の利を狙っている者たちは,砲弾の炸裂からは遠い場所で,商売の出番を待っている.




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2年:K.457 (Maria João Pires ) [音楽]

2024年4月7日(日)晴れ.明日から雨だというので,公園の桜もこれが最後だろうとまた見に行った.日曜日のせいもあって,凄い人出で自転車がぶつからないようにするのに苦労する.みんな楽しそうだ.当たり前だろうが,暗い気持ちで花見に来る人はいるのか? ここにいるんだな,ひとり.


イヌ散歩で週末山を歩くときは,視線の高さは山の木々の高さ,あるいは空の高さだった.そのくせがまだ抜けなくて,公園にいっても上を見上げて歩く.これで桜は終わりだが,例年より遅れ気味に新芽が出始めていて,梢の網の目のような清楚はまた桜とは別の楽しみだ.これを独りでみるようになって,この4月でもう2年だ.

2024spring(2).jpg

昼間に散歩に出るのが平気になった.死んで数ヶ月は,耳にイヤホーンをしてあるいた.ポッドキャストの解説に注意をそらして,昔の散歩のことを考えないようにしないと歩くことはできなかった.その補助がいらなくなった.大きな変化だ.元気だった頃に見知っていた秋田犬(2頭)や柴犬に偶然であうことがあっても,目をそらさなくなった.逆に最近見かけなくなったスノーウィーと老人のことは気になっている.元気だろうか?


あれ以来,空洞になっていた心の暗渠に汚い水が流れて,落ち葉も溜まった.価値のないものがあちこちに詰まっているが,ともかくも今は動いている.だって,ウクライナ戦線やイラクの報復攻撃がどうなるかとか,金や石油の急騰の今後の見通しや,生活の維持するための計画や断念や,そんな散文的な迷いで一杯だから,命の水は流れようもない.だが,ともかくも空いた穴は崩落しなかった.

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「彼はあまり真心がありすぎる上に活動的でなく,罠にかかりやすいし,評判をとるのに有利な方法にあまりにも関心がなさすぎます.ここで成功しようと思ったら,一筋縄でゆかないような,敏腕な野心家でなくてはなりません.才能はこの半分でいいから,もう二倍も業師だったら,わたしは彼の成功をちっとも心配しないでしょう.」
(1778年7月27日付,当時モーツァルトを下宿させていたグリムから,モーツァルトの父レオポルド宛の有名な手紙.吉田秀和訳)

「友よ,ぼくと一緒に悲しんでくれたまえ! 今日は一生でもっとも悲しい日だった」(1778年7月3日付,パリより,友人に旅先での母の死を知らせるモーツァルトの手紙.吉田訳)

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この前後,1778年7月の前後(当時22歳)に作曲されたイ短調ピアノソナタK310を聞いた(ピアノ:A. シフ ).随分久しぶりで,一部は忘れてしまっていたが,母親をなくした前後に書いたこと,および上の手紙のことはよく覚えている.

それから,ハ短調のピアノソナタ(K457)も続けて聴いた.こちらは1784年完成だから,K310からおよそ6年が経過している.その間になにがあったか? 

彼は結婚を夢見た女性(アロイジア)に失恋して,失意のうちに故郷ザルツブルクにもどる.そこで,大司教と喧嘩してウィーンにとびだす.ウィーンで結婚し,1783年長男が生まれる(2ヶ月で死去).父と不仲になる.次男がうまれた.

世間知らずの若者にとって,4年の間に,失恋,フリーランスの音楽家としての独立,結婚,実家との不仲,と相当なストレスの連続であったとおもわれる.借金漬けになって,死ぬまでもう7年しかない.


昔からK457はあんまり好きな曲ではなかった.ベッドによこになって聴いていた(ピアノ:M. J. ピリス).激しい曲なので,それがイヌ亡き後の2年間の思いと必ずしも重ならないのだが,やはり引き込まれる.



3楽章にはいって,曲の切迫は頂点に達して,とうとう曲全体が崩れそうな破断.水中に墜落しそうな思いが,しかしかろうじて踏みとどまって,スレスレで崩れない.マーラーを凝縮したような数小節の消え去りそうなピアニッシモの葛藤と回復.この部分に,死後の2年間が凝視され,音楽をきいてはじめて涙が出た.


死んだイヌの思い出を毎月書くのはこれで最後にしよう.しばらくして,いまは汚れた水路に別のものが流れるとき,私が最も愛したものについてふたたび書きたい.





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