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Transhumanism [来るべき世界]

2024年1月28日(日)曇り.仕事の残りを片付けてそれから本を読む.外にはイッポも出なかった.

transhumanismだとかWEFの新世界秩序だとか,主題が正気を疑う話しなので(本の内容自体は真面目である)読んでいると寒々としてくる:

'seek to transcend our human condition using our technological upgrades or ultimately by uploading of minds and discarding of the body'

つまりこれは自分の意識が死ぬべき肉体の拘束から逃れて持続すること,不老不死を実現したい究極の錬金術師が,いまでも昔の夢を見続けているということだ.もしかすると,危険な手段を隠して.夢を見るのは自由だから,勝手にやってもらえばいいのだが・・・寒々としないか? 

たとえ「死の棘」から自分ひとりは逃れることができても,昔の記憶がアップロードされた世界に生きているのは君の愛情のデジタルレコードだけであり,その愛情の対象は死んでいるのだ.そうした世界に生き続けるのは,むしろ拷問ではないのか?


「芸術作品の人を魅する最大の源は,それがそれまで味わったことのない,ある未知は拡がりを感じさせ,そのなかに一歩一歩,前進していくことを体験させる点にある.ある作品では,その未知のものの闇が深く濃く,ある作品ではそこに未聞の光明と歓喜が漲っている.こういう未知なるものへの接近という体験は,どんな安手な作品の場合でも,不可欠の条件であり,また純正な作品になればなるほど,その魅力は類まれな純度をおびる.そういうことが可能になるのも,それは,芸術家が制作の際に,それを体験するからだ.制作の際,彼は感じ,考え,作ることを同時に行うわけだが,それに劣らず必要なのは,彼の勇気と意志である.何かを作るということは,勇気の問題だとさえいえるくらいで,芸術家にとっては,制作とは一歩ごとに,自分の前にひろがってくる未知なるものとの対決にほかならない.」―吉田秀和「荷風をよんで」



transhumanismの技術的実現にも,未知なるものとの対決が当然あるだろう.ある種の科学的勇気も必要に違いない.しかし,それらの障害を飛び越えた先にまっているものはなにか? 

死んだイヌの記憶と,その記憶の重さに耐えかねて作り出したクローン犬との散歩だろう.

それはかつての,有限の時間の中での無限の幸福,を再現するだろうか? どうしてもそうとは思えない.
    


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政治家はどこを見ているのか? [来るべき世界]

2024年1月25日(木)晴れ.寒かった.

毎日,毎日,驚かされるニュースが続くので,何について書くべきか迷う.ウクライナ紛争,中東,今や崩壊しつつあるアメリカ,どれをとっても嘘だろうというニュースの連続だ.

しかしまず最初に自分の国だ.岸田首相は,グレートリセット後の世界について言及したことがあるが,それはいったいどんな世界なのか? どのようなプロセスを経て,その世界は成立するのか,ぜひ説明していただきたい.彼は異常性を理解しているのか?



このままだと,奴隷になるか,死ぬしかないだろう.しかし,なにがどうなってこうなっているのか,数百年,あるいは数千年にわたる経緯と進展について,追求しないまま死ぬわけにはいかない.




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Prokofiev:「海ゆかば」 [音楽]

2024年1月22日(曇り)朝から真っ暗の曇天.

昨晩はなかなか寝付けなかった.音楽を聞いてますます寝付けなくなった.




On Jan. 19, 2024, Contralto Ewa Podleś passed away at the age of 71.


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いまさらヴァージョンアップかよ [雑感]

2024年1月20日(土)曇り時々雨.暗い土曜日.外に出ようとしたら,雨だった.月曜でないだけましか.

いま読んでいるアメリカの小説では,自然描写がほとんど出てこない.そんな事どうでもいいみたいに.といっても,徹底的に内向きのドストエフスキー的であるわけでもない.何が起きているのかはわかるのだが,その周囲がまるで見えない.

一方,現在の生活様式に組み込まれたブランドの名前など,そんな固有名詞はいっぱい出てくるので,辟易とする.この小説は20年後の読者にわかるのか? 

'Reading it again and again is to realize the immeasurable gulf that is fixed between a merely good book and a great one.' (J. Donald Adams on 'War and Peace')


〜〜〜
● Ben Hodges (former commander of the U.S. Army in Europe)
@general_ben
Russia is a failing state. Economy and defense industry in tatters, severely damaged military, decaying infrastructure, terrible demographics. Kremlin scared of its own population, locking up all opposition. We should help Ukraine push the Kremlin into the abyss.
(Jan 17, 2024)

● Scott Ritter
@RealScottRitter
You might want to try visiting Russia before opining on things you clearly know nothing about.

The catch phrase gaining popularity in Russia is “Thank you, Joe Biden!”

Thanks to Joe, the Russian economy is stronger than ever, the Russian nation more united, and the Russian military the strongest and most combat tested in the world.
(Jan 18, 2024)
〜〜〜


米軍は大丈夫かな? Ben Hodges 氏は,まさか本気で言っているわけではないのだろうが・・・遠慮なく書くと,100戦100敗の軍の指揮官の特徴の典型がここにみえる.

最近のLloyd Austin氏 (United States secretary of defense)の所在不明の一件をみても(退院したということだが,元気なのか?),なにかの政治的及び軍事的な機能不全が起きているのではないかという気すらする.アフガン撤収の際の混乱が思い起こされる.

日本のロシア専門家と言われる人々や自衛隊の元幹部であった一部の人々が書いた今回のウクライナ紛争の見積もりは,ほとんど間違っていた.驚くのは,戦場と経済の現実によって自らの評価が否定されたにもかかわらず,そのまま似たようなことを書き続けた人たちがいた点である.彼らの視野は狭く,「敵」を総体として知らなかった.

肩書に対応する中身をもたない人間がヒエラルキーの階段をのぼることがよくあることを,庶民は知っている.それは医者でも同じだ.今回のコロナ騒動でも大きな犠牲をはらって,それを再確認した.残念なことに,国家の不沈や自らの生死がかかった決定的なときに,上に立つ者たちに期待できない.いまの日本もまさにこの状態である.

我々ひとりひとりには,より強力なバージョンアップが求められている.若者は言うまでもなく,老いつつある老朽戦艦を改修しても,高々しれているというわけにはいかなくなった.使命の自覚がもとめられる.




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木鐸 [来るべき世界]

2024年1月19日(金)曇り.

今年のダボス会議の様子を伝える日本のメディアの動画を見た.バカバカしくなって途中でやめた.Ursula von der Leyen女史は,これ以上笑いものにならないために来年から話さないほうが良いだろう.



(this is said to be a fake)


庶民はそこに集った世界の「エリートたち」を嘲笑しているのだ.笑われているうちはいいが,憎まれないようにしなければならない.これは国内の政治家でも同じだ・・・もう手遅れかもしれないが.


「WEFのクラウス・シュワブ会長は10日発表した声明で,今日の課題として政治的,経済的,社会的な分断が「世界と国家レベルで」拡大している点を挙げた.政府と企業の連携による信頼回復とともに,経済開発を持続可能なものにし,取り残される人を生まないことが重要との見方を示した」(日経Web版;2023年1月11日 )

実は国内にも,取り残された人々がいるんだが.信頼の回復はどうなってんの? 

主流ジャーナリズムがダメになったので,われわれは自分で医学文献まで探さなければならなくなった.目の弱くなった高齢者や,このページのアイデンティティー確認クイズで何回もダメ出しされる私はどうすんの:



「ただ罪悪の表面ばかりを見ていて,盲目の社会と判断をともにするようでは,とても社会の木鐸たるの職務は勤まるまいと思う.」(内村鑑三「罪悪の探究」)


彼らには自己保身はあっても,倫理というものがないのだから,叩いても音が出ない.



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老人と犬 [イヌ・散歩]

2024年1月18日(木) 曇り時々雨.ここ数日,寒さがゆるんでエアコンなしで問題ない.

夕方,公園を散歩しているときに強めに降り出した.

winter2024.jpg

ピロティで雨宿りしていると,シーズーを連れた70代後半と思しき男性が同じ軒先に入ってきた.

雨の止むのを待っている間に,頭の白くなったその老人は白いタオルを取り出して,犬の濡れた頭を拭き始めた.ゴシゴシと,頭から胸,それから全身を立たせるように持ち上げてお腹のあたりも拭く.シーズーは静かにされるままになっている.普段から大切にしている様子がうかがえる.

雨脚は弱まらない.しばらく待っていたが諦めたのか,老人は犬を繋ぎ止めて車に歩いていった.近くに止めたブルーの軽自動車に半身をいれて,ゴソゴソ車内整理をしてから,シーズーを迎えに来た.小柄な老男性と小型犬は車のなかにスッポリ隠れて見えなくなって,ゆっくりと駐車場から出ていった.


このふたりはどこに帰るのだろう.どうしてだか,男性は独り暮らしのように見えた.そんな雰囲気がした.1人と1匹は小さな部屋でそれぞれ夕食の準備をして,黙って食べるだろう.それから?

どちらかが先に死ぬだろう.犬が先であれば,犬の行き場の心配はない.しかし老人は死に等しい打撃を受けるだろう.人が先に死ねば,犬はどうするのか?



まだ降り止まない雨のなか自転車をこぎながら,イヌが死んだ日のことを思い出していた.ポーチでヨロヨロ歩こうとしても倒れるので,抱き上げると,突然2度血を吐いた.エレベーターの前のコンクリートが赤黒く染まった.動転して,信じられない.

それから病院に連れていった.吐き気止めの点滴.診察台の上で微動だにしない.楽にさせることだけを考えた.

連れ戻って傍につき,ほとんどずっと抱いていた.翌日,ときどき熱にうかされるように痙攣して,もうながくないことを教えてくれた.腕の中で話しかけると頭を振って応えてくれた.最期に,大きく伸びをするように痩せた身体を反って,死んだ.

死に至るまで看ることができて,本当に辛く,また幸いだった.あの老人と犬にも,同じことを願わずにはおれない.



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中東緊迫 [War]

2024年1月17日(水)晴れ.

Alastair Crooke: US Lured Into Battlescape in Gaza, Yemen and now Iraq








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1年9ヶ月 [イヌ・散歩]

2024年1月16日(火)曇り.

朝起きてぼーっとしてると,イラク領内の米軍施設に対するイラン革命防衛隊による弾道ミサイル攻撃のニュースが入る.いよいよきたか,という気持ち.


エルビルのクルド人情報筋によると攻撃されたのは以下:

1.エルビル空港
2.エルビルのアメリカ領事館、
3.[シオニストの]ビジネスマンの家、
4.ハリール米軍基地

今後はどうなるか,想像したくもない.

続報によると,「イランはさらに,イラクのクルディスタン地方にあるシオニスト政権(モサド)の主要スパイ本部のひとつも標的にしていると付け加えた」が,「攻撃は米軍基地の近くであったが,米国は標的ではなかった」(Redacted)ということである.

情報が錯綜している.米軍基地および米領事館の被害は誤報かもしれない.

〜〜〜

このところ,にわかには信じられないニュースがたくさんあって,毎晩なかなか寝付けない日が続いている.とくに,今年のWEFのテーマの一つになっている‘Disease X’については呆れて書く気もしない.正気なのか?








ますます世界が狂気の沼に沈んでいくときに,思い出すたびに輝きを放つのは死んだイヌの記憶である.一般に,時間がたつにつれて,過去はますます背景に退き,それについて話す機会が少なくなればなるほど,記憶も薄れる.

たとえば,Andreiの死後,MariaとNatashaはかれについて話すことを避けるようになり,そのために彼を忘れ始める:

'As before, they still never spoke of him, so as not to violate with words, as it seemed to them, that lofty feeling that was in him, and this silence about him had the effect that little by little, without believing it, they began to forget him.'(vol. IV, Part 4, III; p. 1081)

話さない意図は,大切な思いを壊さないためであったとはいえ,ここを読んで悲しみを感じない読者はいないだろう.

同じように,書かないでいると消えていくものをとどめておくことはできない.しかし,なにを書くのか? あの「気高い感情」についてかくしかない.


イヌと飼う前,自らを顧みて人並みにはまともな人間だろう,とおもっていた.しかし,イヌと暮らすようになって以前の視野が分解し,世界の見方にもう一つの次元が加わって再構成された.それはペットを飼っている,したがって家族がひとり増えたという環境の変化では捉えられない深みである.まともなはずの人間から,社会性を失った単なるヒトに変わった.

またそのことによって,この世界は本来自分の属すべき世界ではなかった,という確信がうまれた.そして,子供の頃からの疎外感がどこから来たのかを初めて悟った.ここはヒトにとっての異国であり,この世界の秩序が犬を排除するように,ヒトも排除することを理解した.'In this world, I am an animal.'

その理解を促進したものはなにか? 言葉がない,という制約である.

2018年1月20日(13歳),筑紫野市の塔原の池の周囲を歩いていたとき,狭い野原の小道ですれ違う人を避けようとして,(片手でカメラを持っていたゆえに)長いリード操作がうまくいかず,それがイヌに絡まってしまった.痛かったらしく,2度キャンと鳴いた.「ごめんな」といった.そのとき撮った動画をみると,こちらを見上げてこんな表情をしている:


20thJan2018.png

以来ずっと,この微妙な柔らかい表情が何だったのかを考え続けている.それが伝えるのはある「気高い感情」で,イヌが残してくれた大切な遺産である.








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カネの切れ目 [雑感]


2023年1月11日(木)快晴.ブラインドを開けると,暖かい日差しが差し込んでくる.イヌが生きていたときは3次元の世界を生きていたが,いまは2次元のモノクロ領域に封殺され,色もなく,天井もない.ただブラインドにキラキラ反射する陽光をあびると,外にはまだ希望があるらしいことがわかる(あるのか?).

能登地震に触発されて,関東大震災の際の東京の様子を記した芥川龍之介の覚書をよむ.ついでに遺書まで読んでしまう(岩波版全集12巻,p.425).読んで,レポレオン敗走後,モスクワに呼び戻されたときのNikolaiのことを思い出した.

終戦後,Nikolaiは軍とともにパリにいたが,実父の死亡の一報で実家に戻ることになる.父が存命中に実家の資産価値の2倍以上に膨れ上がった借金をどうするか,その後始末に直面する.相続放棄を勧められるが,断る.彼にとって,それは「父の思い出に対する非難」を意味したからだ.

相続人として,父の負債を完済するにはどうすればいいのか,彼の思いはその一点に集中する.命を懸けた戦役のあと,われ先に借金を返済してほしい債権者の列を前にして,彼には息をつく暇もない.しかし,競売にかけられた家財も借金の半分にしかならない.ピエールに借金するが,それでも足りない.

とうとう,愛着のある軍服を脱いで,モスクワで官職につき,母とソニャとともに小さなアパートに移り住む.しかし,彼の財政状況は悪化の一途をたどる.マリアに対する感情もささくれだって冷たくなり,彼女はショックを受ける.

この借金の返済の部分はEpilogueのなかでもとくに印象深い箇所(こうした詳細を冷たく書き連ねるところが『戦争と平和』の作者の魅力である)で,どうしてだか芥川龍之介の遺書をよんだときに,ここが連想された.彼が当時抱えていた問題がなんだったのか知る由もないが,原民喜が父の遺産の株券をすべて売却してしまってから,自殺をしたことなども思い出された.

「僕もあらゆる青年のやうにいろいろの夢をみたことがあった.けれども今になって見ると,畢竟気違ひの子だつたのであらう」

この一文にすべての思いが込められている気がする.


一昨日のRedactedはとくに驚いた.電車の時間が迫っているのに,ギリギリまで耳を離せなかった.腐ったジャーナリストがおおいなか,我那覇 真子さん突撃インタビューが気持ちよかった:



また,間近にせまった今年のダボス会議に招待されてこれに応じる政治家,および,報道機関の名前をぜひ公開してほしい.WEFのオウムになった政治家やメディアを信頼するつもりはゼロなので.しかし・・・もしかして,我が国の主流メディア全部だったりして?


音楽をきいて,唖然とするニュースでゴミと廃棄物の溜まってしまった頭の掃除: Festspielhaus Baden-Baden, カルメン



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pure madness (2) [来るべき世界]

2024年1月9日(火)快晴.朝から,日差しが嬉しい.能登地震の被災者が気の毒でならない.被災柴犬も頑張れ.

先日,仕事に遅れそうになって,駅からタクシーに乗ったら運転手が女性(30代)だった.話してみると,夫婦共稼ぎだが子供がいて大変だと言っていた(子供には中国語を勉強してアジアにでろ,と教えているらしい).「外国への援助より,こっちをなんとかして欲しい」と嘆いていた.

一方,何が起きているのかわからない政治家が日本にも欧米にもたくさんいるようだ:



RTの2024年1月9日の記事によれば,既に6万人以上の女性がウクライナ軍に従軍している(以下で「国防省」とあるのは,ウクライナの国防省を指す):

'More than 60,000 women already serve in the Ukrainian army, making up about 7% of the country’s armed forces, according to the Ministry of Defense.'

(source: https://www.rt.com/russia/590311-ukraine-buys-50000-womens-uniform/)

このままいくと,ウクライナの将来はどうなるか? 国外に逃れた若者(Kiev市長の息子達がどこにいるかを見よ)たちが戻ってきて家庭をもつのでなければ,次の世代の人口は激減するだろう.

この2月には東京でウクライナの復興に関する会議が開かれる予定のようだが,自国民の反対のなか,たとえ我が国が多額のカネを出しても,失われた命の可能性は回復できない.

この犠牲は誰のためか? 存在しなくなったどこかの国の「民主主義」のためでないことだけは,確かだろう.


これまで各方面から入手していた情報と一致するし,発言者の立場からしても信頼性が高いと思われる:

https://x.com/simpatico771/status/1744092230959198209?









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